レッドアーヴィング ~The Long And Winding Road
父アドマイヤムーンはこの世代がファーストクロップ、母エンプレスティアラは2戦未勝利で引退するもその母ゴールドティアラという良血を買われて繁殖馬入りし、初子がこのアーヴィングでした。よくよく考えると新種牡馬と初子の組み合わせだったんですな。
当初この馬を取る予定はなく申し込みは「赤い祈る人」だけでした。その後に行われたキャロ一次申込みが大失敗におわり(最優先ワンゲ、一般マルケ落選)、ワンゲの損失補てんとして同じミッキー厩舎のミスプロ系のこの馬に白羽の矢を立てた次第でした。
デビューは2011/9/11、同時多発テロの10年後、東日本大震災の半年後でした。私はキャロツアーの真っ最中(当時は9/11にツアーやってたんだよねえ)。
必然的に通信手段はぼく馬メールのみ。8頭立てのレースでしたが四位にーちゃんに導かれたアーヴィングは見事快勝、時計は平凡でメンバーレベルも怪しい1戦でしたが当時のG誌はなぜか★6つの評価、
この時点では「クラシック候補」との声も出たアーヴィング、この後は札幌2歳Sかと思いきやミッキー先生は年末の大一番に備えて休養を選択、これがこの馬の運命の分かれ道その1になってしまいました。
2011.10.07
(ノーザンファーム空港)
担当スタッフ「先週末、馬房内で軽く左トモを寝違えてしまったようです。すぐにショックウェーブを施し、今は角馬場で軽く動かして様子を見ています。移動予定は先送りになりますが、少しでも気になる点があれば無理したくありません。馬の状態に合わせて、今後のスケジュールを考えていくことになると思います」
この寝違えがどの程度のものだったのかはアーヴィングに聞いてみなければわからないのですが、結果からみれば「つうこんのいちげき」に相当するものだったようです。
結局暮れの大一番をあきらめ年明けの福寿草特別へ、この一戦がナガーーーい夜の始まりになるとは思ってもみませんでした。
くどいようですがこの時点ではまだクラシック候補生、アーヴィングは3.0倍の1番人気でした。当時東京にいた私はケミチェンの障害デビュー戦のため中山に臨席、福寿草特別はモニターでみていたのですが…まさかの12着。
私は精神的なものと直感したのですがミッキーは構わず「きさらぎ賞へ行く」と。
きさらぎ賞、ワールドエース、ヒストリかル、ベールドインパクト、ジャスタウェイ、マデイラと錚々たるメンバーがそろったレース、アーヴィングは(特に名を秘す)との熾烈な争いを制し12着でゴール。
私は精神的なものと確信しミッキーも今度は休養すると。
ならば時間をかけて立て直し次のレースへと思っていたのですがこのあたりからミッキーのワンサイドゲームが始まります。
まずどうしてもダービーに出たかったのか急遽帰厩させて「プリンシパルSへ行く」と
後の天皇賞馬を「先約があると断らせてノリ騎乗のアーヴィングでしたがここも11着、クラシック候補の声はなかったものとなってしまいました。
その後デビュー戦の舞台札幌で使うというのになぜか「ダート」に出走…結果最下位
この後取ってしまいますがさして戦績は向上せず、4歳春、この馬の運命の分かれ道その2
2013.06.05
(松永厩舎)
平地で思うような結果が出ないことから、障害を試してみることになり、今日から障害練習を開始しています。
助手「牧場で練習していたこともあり、初日から障害を飛ばせてみました。騎乗した西谷騎手は、飛越センスも良くモノになりそうと好感触を得てくれたようです。まずは障害試験合格に向けて進めていきたいと思います」
思うような結果が出ないことから障害への転向を決断します。
初障害は2013/7/6
大逃げ大バテの展開、この1戦が西谷騎手の心理に大きく影響したようです。
2戦目以降ナントカ抑えようと試みるも結果がでず迎えた2014年明け。
いつものように逃げたアーヴィングは後続の追撃をかろうじてしのいで障害初勝利!
西谷騎手の嬉しそうな顔が印象的でした。
その後福島でオープンを使うも結果が出ません。特に2戦目は大逃げからしんがりまで下がってまくっていって最後競走中止というどうしようもないレースでした。
ミキオ氏は平地復帰を宣言し次走は平地に戻したのですが11着、ここで西谷騎手は障害へ戻すことを直訴したようです。
ただし直訴した割にレースは別の馬に乗ってましたがね。
やむなく平沢騎手にスイッチした小倉のレース、襷でかかり気味に先行しだしたアーヴィングに逆らわずに進出、ぶっちぎりの逃げきりで障害2勝目をあげます。
この後一旦放牧を挟んでこの馬2回目の重賞京都JSへ、行きましたよ京都へ。レースは17秒で終わってしまいましたが(>_<)。
この時の負傷がもとで約半年休養したアーヴィング、そこから3戦するも大逃げ→大バテ→最下位近く入線を繰り返し、ミッキーが得意の舞台で…と今週の小倉にむけて調整した矢先の故障でした。
結果:20戦3勝
一口7万円と決して安い馬ではなかったのですが終わってみれば回収率100%超、いろいろやらかした馬ですが結果的に出資者様に損をさせなかったのですね。惜しむらくはもうちょっと脳力があればなあ。
引退後はしがらきで乗馬になるとミッキーが言ってました。いろいろやらかしてくれた馬だけどとにかくお疲れ様でした。
| クラブ馬主・その他 | 23:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑